最近になってeLTAXから発信されるメールに宛名を設定できることを知りました。今回はその設定方法を確認しておきたいと思います。
開始届に記入してるのに、会社名・個人名が宛名に表示されないフシギ
税金の電子申告を始めるにあたっては、税務署や地方自治体に届出書を提出する必要があります(e-TaxとeLTAXで書類の名称が異なりますが、以下「開始届」とします)。
当然のことながら、この開始届には法人であれば会社名、個人であれば個人名を記載します。
オンラインから開始届の提出を行う場合、会社名・個人名以外にもメールアドレスを記入する欄がありますが(ただし、税務署への提出時は必須項目ではなく推奨項目)、そのメール本文に表示される宛名については、
- e-Tax(税務署):会社名や氏名とは別に入力する必要あり
- eLTAX(地方自治体):開始届提出時に記入する欄なし
となっています。
e-Taxについては、メールアドレスだけ登録して宛名欄を入力しないと、メール本文に宛名は表示されません(登録した会社名や個人名は表示されません)。
eLTAXに至っては、当然のようにメール本文に宛名は一切表示されません。
この点、過去からずっと疑問なのですが、会社名や個人名を登録しているにもかかわらず、なぜわざわざ宛名を別途登録させたり、宛名を表示しないメールを当然のことのように送ってくるんだろうかと。
通常の会社や個人の方であれば、特に困ることはないのですが、会計事務所などで複数の法人・個人の方のお知らせメールを受けている場合、誰のものが来たのかさっぱりわからず困るケースも多くあります。
システムを設計した人は、「電子メールは、宛名を書くところから始める」ということを教わらなかったのだろうかと・・・。
eLTAXでのメール宛名の設定方法
メール本文に宛名が表示されない点について、eLTAXのサポートに以前問い合せたことがありますが、
「そういう仕様になっております」
と(「情報漏えいを防ぐため」といった理由をいわれた気がします)。
ところが、最近になって宛名の設定ができるように変更されていることを知りました。
そこで今回は、この宛名の設定方法について確認しておきましょう。
なお、詳細につきましては、eLTAXの以下のサイトをご参照ください(このページの日付を見ると、今年の2月にはできるようになっていたみたいです)。
また今回は、パソコンにソフトをインストールせずに、Web上で変更する方法を確認します。
【1】eLTAXのホームページに行き、右上にある「PCdesk(WEB版)」をクリックします
※eLTAXを利用する際の推奨ブラウザーは、Internet ExplorerとEdgeとなっています。Chromeは含まれておりませんのでご注意ください。
【2】以下の画面が表示された場合は、「閉じる」を押してください(今回は事前準備セットアップは不用です)
【3】開始届提出後に発行された「利用者ID」と「暗証番号」でログインしてください
【4】メニュー右下の「メール宛名の設定」をクリックします
【5】「宛名」欄にメール本文に表示させたい宛名を入力して右下の「登録」ボタンを押します
【6】「メール宛名の登録が完了しました。」というメッセージが表示されたら完了です。
なお、「e-Taxで開始届提出時に宛名登録しなかった!」という場合でも、受付システムにログインした後のメニューから、「メールアドレスの登録等、お知らせメールの宛名登録」を選べば宛名を登録することができます。
「ユーザーに負担をかけない仕組み」という視点
今回は、eLTAXでメール本文に表示する宛名の設定方法について確認しました。
ご紹介した作業自体については、関心のある方はあまり多くないと思います。
ただ、今回確認しておきたいのは、
「メールの宛名を表示させるためだけに、わざわざ登録作業をさせる必要があるのか?」
という点です。
会社名・個人名は登録されているわけですから、それをそのままメール本文に表示して困るケースはまずないはず。
ユーザーにひと手間かけさせないと、一般的なレベルの使い勝手にならないという仕組みで本当によいのかどうか。
「IT活用だ、DXだ」と世の中ではいわれていますが、提供されているサービスに対してユーザーが負担を感じるようなものであれば、結局はそうしたツールの活用は進まず、いつまで経っても便利な世の中にはなりません。
国税庁からは、
税務行政のデジタル・トランスフォーメーション-税務行政の将来像2.0-
といった資料も公表されていますが、こうした取組を進める中で、ユーザーが負担を感じない仕組みを構築していただければ、と願います。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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