説明をする側とされる側、どちらも仕事をする上でありますが、そうしたケースで話がうまくかみ合わないことがあります。そうした際の対処方について少し考えてみましょう。

説明がうまく伝わらない理由

この仕事をしていると、税金の制度についてなど、いろんなことを説明する機会がある一方で、お客さまの事業の詳細について伺う(=説明を受ける)ことも当然あります。

このような「説明をする」「説明を受ける」というコミュニケーションの中では

  • こちらの説明を期待以上に理解してもらえる(打てば響く、といった状態)
  • 話は通じているようだけれども、今ひとつかみ合っていない
  • こちらの説明する内容を全然理解してもらえない

などうまくいくケースもあればそうでないこともあるでしょう。

こうした違いは

  • 説明する側のスキル(わかりやすく説明できるか)
  • 説明を受ける側の理解力

といったことから生じる部分もありますが、話をしている内容について基礎知識や周辺知識を聞く側がどの程度持っているかという点も重要です。

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知識の有無から見た四象限

説明をするトピックスについての知識があるかどうかという観点で、マトリックスを作ると次のようになります。

普通に考えれば、Ⅳの領域について説明をしたり、説明を受けることってあまり考えられません。

たまに専門外のことについて、知っているように思われて質問を受けるケースがないわけではありませんが、そういうときは

「専門外なのでよくわかりません・・・」

とお伝えして、そこから深入りすることはほとんどありません。

Ⅰの領域はお互いに最も話がしやすく、いわゆる「話が盛り上がる」という状態になりやすいケースですね。

そして仕事をする上で一番あり得るケースが、Ⅱ・Ⅲの領域でしょう。

税理士という仕事をしている上では、相手の方は税金について専門知識がないことがほとんどです。

つまりⅡの領域になることが多くなりますので、ここにいかに対応するかがひとつのウデの見せ所かもしれません。

説明をすることで、いかにしてⅡの領域からⅠの領域に近づいてもらうかがポイントですが、そのためにすべきこと・できることとしては

  • 話をかみ砕いて説明する
  • 図や表を活用する
  • たとえ話を入れる

といったことが挙げられます。

いわゆる「入門者向け」の説明において採用するような方法を、積極的に取り入れる必要があるでしょう。

その一方でお客さまの事業内容についての説明を受けるときは、立場が変わってⅢの領域に身を置くことになります。

説明してもらった内容を中々理解できない場合にどうすべきか。

会社の中で上司が部下に調べてもらうようなケースであれば

「もっとわかるように工夫して説明してよ」

で済むかもしれませんが、お客さま相手ではそんなことは口が裂けても言えません。

このケースでこちらが行うべきことは

  • まず相手の説明をしっかり聞く(途中で遮らずに最後まで聞く)
  • 話の中で理解できなかった点を整理する
  • 理解できなかった点について改めて説明してもらう

といったことです。

意外と大事なのは、最初の「途中で遮らずに最後まで聞く」という点だと考えています。

こちらが全体像を理解できていない状態で、ところどころ質問を挟んでしまうと、話が本筋から逸れてしまい、全体像を理解するのに余計な時間がかかってしまいます。

私もついついやってしまいがちですが、まず相手の話を最後まですべて聞くというのは大事なポイントです。

こうしたポイントを意識することで、Ⅲの領域からⅠの領域に近づくことができるのではないでしょうか。

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かみ合わないときは落ち着いて状況を整理する

今回の話、「そんなの当たり前でしょ」と感じる方もいるかもしれません。

ただ意外と説明をしたり受けたりするケースでは、うまく伝わらない、理解できない状況にイライラして、冷静になれないことも多いものです。

ⅡやⅢの状況にある場合には

「わかりやすく説明できているか」
「相手の話をきちんと全部聞けているか」

といったことを意識することで、状況を改善できる可能性があります。

「あれ、なんかうまく伝わらない」
「話がアタマの中に入ってこない」

といった状況に陥った場合は、自分がどの領域にいるのか確認した上で、どのように対処すべきか考えてみてはいかがでしょうか。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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