生産性や業務効率の向上といったテーマは普段から取り上げていますが、私がお手伝いしたい方について、改めて整理してみたいと思います。

「税理士だから税金だけ」とはしたくない

「昔と違って税理士が記帳代行や税金計算だけしていればいいという時代ではない」といわれて久しいです。

そうした環境の中で、私個人としてどのような価値の提供ができるか、ということは常々考えているわけですが、そのひとつが間接部門の生産性向上や業務改革のお手伝いをするといったことではないかと考えています。

そうしたお手伝いをする中で、現在の状況では「業務をデジタル化する」ということは外せないことのひとつであり、具体的には

  • 業務フローの見直し
  • ツールの導入
  • 効果の見極め

といった流れで進めていくことになります。

自分の頭の中では整理できていたつもりですが、こうした価値を「どういった人たちに提供するか」という点が言語化できていないことに最近気付きましたので、今回その点を整理しておきたいと思います。

「デジタル」や「IT」は関係ないと思ってる人を取り残さないために

大企業と異なり規模の小さな中小企業や個人事業主の場合、ヒト・モノ・カネといったリソースは、どうしても足りないケースが多くなります。

そのため、業務をデジタル化しようとしても、

  • 専任の担当者を置くほどの余裕はない
  • 高額なソフトやサービスを導入することはできない
  • 業務改善の支援を受けるために、高額な外注先に依頼するのは難しい

といった課題を抱えることになります。

「現状のままではマズイ、業務のデジタル化を進めないと」と感じて、自力で進めようとしている会社や個人事業主であればよいのですが、

「デジタル化なんて何をしていいのかさっぱりわからないし、ウチにはムリ」

と考えて、何も手を付けずに放置してしまっているケースも多いのではないかと感じています。

税理士のお客様となるのは、個人事業主や中小企業の方がメインとなることからすれば、「(個人事業主を含む)中小企業を支援する」という視点は外せないものになります。

同時に、今後の世の中の変化に備えて「デジタル化」を進めることが避けられないのも事実であり、最初からIT化・デジタル化が得意といった方達だけにそうした価値を提供しても、全体的な底上げにはつながりません。

そのように考えると、こうした価値を届けたいのは

「パソコンは一応使うけど、メールとWebとExcelくらいしか使わない」

といった層から

「社内でメールやチャットなどは導入したけど、思ったほど効果が上がっていない」

といったレベルの方になってくるのではないかと考えています。

スゴく粗っぽいイメージですが、図にするとこんな感じの色を付けた部分かと。

どちらかといえば「IT」「デジタル」といった言葉に苦手意識を持つ人寄りのイメージです。

さすがに「パソコン使ったことない」というレベルの方を、零細事務所がガッツリ支援するのは難しいものがありますが、苦手意識を持つ方を門前払いするような形にはしたくないと思っています。

中小企業としてのリソース不足という問題もありますので、提供したいのは「緩やかなデジタル化」。

この言葉の意味するところは、いきなり高額なシステムを導入したり、仕事の流れをガラッと変えてしまうのではなく、身近なところから少しずつ変えていくこと。

少しずつ変えてみてデジタル化の効果を理解できた段階で、段階的に範囲や対象を広げて、新しいツールも試していく、というやり方を想定しています。

最初の一歩を踏み出せば展望は開ける

こうした考え方に対しては、

「変化の激しい今の時代、そんなのんびりしたやり方では時代に取り残されてしまう」

という意見もあると思いますが、苦手意識を持つ方が何も行動しなければ、どこまでいってもレベルはゼロのままです。

レベルゼロのままであれば、そこから1%改善してもゼロから進むことはありませんが、レベル1まで進めばそこからは、たとえ1%ずつの改善であっても確実に前に進むことができます。

苦手意識を持つ会社や個人事業主の方のゼロから1へのお手伝い、中小企業等の底上げということを考えると、こういう対応する税理士がいてもいいんじゃないかと。

逆に、この文章を読んで「レベルの低いことを言っている」と感じるのであれば、それはレベル1の段階を既に超えているということ。

そのような方は、さらに高いレベルを目指して次のステップへと進むべき段階にいるということです。

最初の一歩を踏み出せば、その後の展望は確実に開けてきます。

そうした最初の一歩を踏み出すお手伝いをできれば、と。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち、7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。