4月1日に新しい元号「令和」が発表されました。この発表以降、国税庁のサイトに元号の変更に伴う案内が、何点か掲載されています。それらの変更点について今回は3つ確認しておきましょう。

【1】2月決算法人の申告書の提出日はいつ?

2月決算法人の法人税などの申告書の提出日は、通常であれば決算日から2ヶ月後の4月30日になります。

ところが、今年は10連休となるため、4月27日(土)から5月6日(月)のあいだに平日がありません。こうした場合は、休日等の翌日が申告書の提出期限となるため、今年は5月7日(火)が期限となります。

この点については、「10連休に関するお知らせ」に以下のように記載されています。

4月27日(土)から5月6日(月)までの期間に到来する申告・納付等期限については、10連休明けの5月7日(火)となります

国税庁ホームページ「10連休に関するお知らせ」より

なお、このお知らせの中には、上記に当てはまらないものとして、次のケースが挙げられています。

想定される事例として、10連休中に納税管理人の届出をしないで国内に住所及び居所を有しないこととなる場合には、その時が期限となりますので、10連休中に期限が到来する方は4月26日(金)までに申告等必要な手続をお願いいたします。

国税庁ホームページ「10連休に関するお知らせ」より

10連休中に、海外会社に新たに出向するなどの理由で、海外居住のために出国する方で、確定申告が必要な方(かつ納税代理人の届出を出さない方)については、4月26日(金)までに申告書を提出する必要があります。

私も海外出向をした経験がありますが、チケット代も高くなるし混雑するような10連休の間にわざわざ出国する人いるの?とも思いますが・・・。

とはいえ出向先の会社から1日も早く来てほしいというケースもあるでしょうから、10連休中に単身で海外に赴任される方もいらっしゃるかもしれません。

そのような方で確定申告が必要な方は、申告書の提出を忘れずに、気をつけてお出かけください。

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【2】5月以降、申告書に平成31年と書くと受け取ってもらえない?

5月以降、元号は「令和」に変わりますが、税務署に提出する書類の日付を「平成31年」とすると、受け付けてもらえないのでは?という心配は不要なようです。

国税庁ホームページの「新元号に関するお知らせ」に次のように書いてあります。

なお、納税者の皆様方からご提出いただく書類は、例えば平成31年6月1日と平成表記の日付でご提出いただいても有効なものとして取り扱うこととしております。

国税庁ホームページ「新元号に関するお知らせ」より

ただ、「西暦で書いてもいい」とは書いてありませんので、2019年と書いて提出するとどうなるのかは不明です・・・。

e-Taxについても、「新元号に関するお知らせ(平成31年4月2日)」という案内が掲載されていて、その中で、

なお、e-Taxへ送信する申告・申請データにおいて、ご利用の民間の税務会計ソフトの改元対応が完了していない等の理由により、「平成」を用いて作成いただいた場合でも、当面の間、正常に送信いただけます。

e-Taxホームページ「新元号に関するお知らせ(平成31年4月2日)」より

とありますので、「税務ソフトメーカーの元号対応が間に合わない!」という心配はなさそうです。

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【3】平成と印字された源泉所得税の納付書は使えない?

毎月の源泉所得税の納付に備えて、納付書を手元にストックされている方もいらっしゃるでしょう。平成と印字された納付書を、改元後に使用しても問題ないとのことです。

この点については、国税庁ホームページの「改元に伴う源泉所得税の納付書の記載のしかた」に、記載方法を説明したリーフレットが掲載されています。

このリーフレットには、「平成」と印字されている納付書を使用する場合には、

○ 現在お持ちの納付書に印字されている「平成」の二重線による抹消や「新元号」の追加記載などにより補正をしていただく必要はありません。
○ 平成 31 年(2019 年)4月1日から新元号2年(2020 年)3月末日の間に納付する場合、納付書左上「年度欄」は「31」と記載してください。

国税庁リーフレット「改元に伴う源泉所得税の納付書の記載のしかた」より

と注意書きが書かれています。「平成」と印字されているものは、無理に修正せず、左上の年度欄も平成のまま「31」と記載するとのことです。

ちなみにこのリーフレットを見ると、納期の特例の適用を受けている方は、右端の「納期等の区分」欄は「3101-0106」と書くんですね。

当然といえば当然なのですが、いざ書くとなると「3101-3106」と書いてしまいそうなので、注意が必要です。

また、源泉税の納付期限は5月10日(金)から変更ありません。10連休で仕事がタイトになる方も多いと思いますので、遅れないようご注意ください。

税務署への提出資料の日付は西暦にしてほしい

ここからは個人的な意見ですが、税務署や役所へ提出する資料については、そろそろ西暦への切替えを検討してほしいと思います。
( 元号自体を否定する気はまったくありません。)

西暦で統一しておけば、元号が変わったときにわざわざシステム改修の対応にかかる人手が不要になりますし、国税庁にしても上記のような案内を準備・発信する必要もなくなるわけです。

普通に暮らしていても、元号と西暦が混在することで、変換が必要となるケースは結構あります。

人手不足・生産性向上といったことが話題になる時代ですから、こうした部分を変えれば、かなり効率化につながると思うのですが・・・。

この点、思い切って変えてほしいものです。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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