何事においても、完璧を目指そうとすると手をつけるのが億劫になってしまいます。完璧な仕事よりも行動することをまず目指しませんか?今回はそんなお話です。
気になってる仕事になかなか手がつけられない、ってありますよね
仕事に限ったことではありませんが、
「やらなきゃいけないのに、なかなか手がつけられない」
「やるべきだとわかっているんだけど、なかなか始められない」
こういうことってよくありますよね。
私にとってのそんな仕事の1つが、RPAやプログラミングの勉強、というよりもそれらを実際につくって仕事で使うことです。
こうしたものはどれだけ本を読んだり調べたりしても、自分でやってみないことにはまったく身につきません。
とはいえ実際にやるとなると、「時間はかかるし、うまくいかずにすぐ中断するし、そのたびに調べないといけないし」ということで、なかなか手をつけられないわけです。
今回必要に迫られて、久しぶりにUiPathでロボットをつくろうとしています。
だいぶ忘れてしまっていることもあり、四苦八苦しているわけですが、つくりながら思ったのは、このロボットを使うのはあくまで自分だけ。
ソフトウェアの完成品として誰かに納品するわけでもなし、目的はあくまで自分の作業を楽にすること。
そうであれば、仮に10の工程があったとしても、全部自動化する必要はないんじゃないかと。
「完璧を目指す」をやめるところから始めてみる
例えば、次のような工程をRPAで自動化するとします。
- ソフトを起動
- メニューを選択
- レポート選択画面を表示
- 対象となるレポートを複数選択
- 印刷(出力)ボタンを押す
- 1つずつPDFファイルに保存
この工程を自動化する場合、仮に「4.対象となるレポートを複数選択」の部分でレポートの選択がRPAでうまくできないとします。
この時に、すべての工程を自動化しなければ意味がないとして、RPAによる自動化自体を諦めて、従来通り手動でやってしまうかどうか。
ここで当初の目的「自分の作業を楽にする」ということに立ち戻れば、部分的な自動化であっても意味はあるわけです。
仮に、従来10分かかっていたものが、部分的な自動化で9分に短縮できたとしたら、これでも10%の効率アップです。
ところが、ムリに全自動化で1分に縮めようとしていたら、いつまでたっても自動化できず、毎回10分の作業+開発の作業を延々と続けることになります。
ここで「全自動」にこだわらなければ、
- 1~3の工程と5~6の工程を自動化して、4は手動で対応
- 1~4の工程までは手動で対応して、5~6だけ自動化
- 1~3の工程は自動化して、4~6は手動で対応
といった選択肢を検討することができます。
「完璧を目指す必要はない」と理解することで逆に選択肢が増えるわけです。
そういえば、会社に勤務していた頃、情報システム部門に色々な改善や追加のレポートをお願いしたことがありましたが、
「ここまでならできますけど、これ以上やると開発工数がかかりすぎてムリ」
と言われるケースもありました。
本職のSEでもそういう風に考えるわけですから、素人プログラマーが完璧なものをつくれなくて当たり前。
そのように考えると、つくり始めることへのハードルがかなり下がります。
自分が行動しやすいように自分の中の制約を取り払おう
今回はRPAのロボットをつくるという事例で考えてみましたが、なかなか手を付けられない、いつまでたっても始められない、ということはよくあります。
そうしたケースでは、必ず自分の中に「手をつけない(つけたくない)理由」があるはずです。
今回のケースでいえば、
- つくるためのまとまった時間がとれない
- 久しぶりなので、つくりかたを忘れてしまっている
- ロボットが思うように動かないのではないか心配
などなど。
行動するためには、こうした自分の中の制約を取り払わないと、いつまで経っても動けません。
だから、こうした「手をつけない(つけたくない)理由」をすべて書き出して、それらを一つずつ潰して行く必要があるんです。
私の場合でいえば、
- 時間がない → RPAで自動化しないと、あとでそれ以上に時間がかかってしまう
- つくりかた忘れた・うまく動くか心配 → 一部の工程の自動化でいいので、少しでも時間短縮できるものを目標にする
といった風に納得させたわけです。
こんな風に自分を納得させる際に大事なのは、「完璧でなくていい」と理解しておくこと。
行動し始めるにはパワーが必要ですが、行動しなければ何も変わりません。
だからこそ、自分が行動を始めるためのハードルを、下げてあげる必要があります。
「やらなきゃいけないんだけど、なかなか始められない仕事、いろいろあるんだよな」と、もし感じているようでしたら、「手をつけない(つけたくない)理由」を書き出すところから始めてみませんか。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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