今回のタイトル、RPAもScratchもご存じない方には意味不明だと思いますが・・・
Scratchって何?
RPAについては、このブログでも取り上げたことがありますので今回は割愛します。
では「Scratchとは何?」ということになりますが、これは簡単に言うと子供向けに開発された入門用のプログラミング言語です。
子供向けの入門用といっても、一般的なプログラミングでも必要となる「変数」「繰返し処理」「条件分岐」なども使えるため、結構高度な作品が作られたりしています。
Scratchのサイトで、Scratchで書かれた作品を見ることができますので、興味のある方は一度覗いてみてください。
RPAは「大人向け入門用プログラミング言語」
一方RPAですが、なんとか自分の仕事に活かせないかと思い、先日とある会社が主催するUiPathの基礎研修を受けてきました。
UiPathというのは、RPAを提供する企業の一つであり(製品名もUiPath Studioなど社名と同じ)、世界的にもRPA業界の大手とのことです。
そのUiPathですが、画面構成は左側に使用できる「部品」(Activitiesといいます)があって、それを中央のWorkspace(真ん中の白い部分)にドラッグアンドドロップして組み立てていく、という形になっています。さらに細かい設定は、右上側のPropertiesエリアで行ったりします。
私の小学生の子供が現在プログラミングを習っていますが、そこで習っているのがScratch。そんなわけで、私も時々その画面を見るのですが、この研修を受けた後にScratchの画面を見てみると・・・
「これってUiPathとほとんど一緒じゃん!」と思ったわけです。
Scratchでは、中央部分にあるパーツを右側のエリアにドラッグアンドドロップしてプログラムを組み立てていきますので、先ほどのUiPathの画面と基本的な構成は同じです。
他のRPAについても、いくつか画面を見てみましたが、基本的には同じようにパーツを組み立ててロボットを作成するものが多いです。
そこで気づいたのは、
「RPAって簡単に作業を効率化できますって宣伝されてるけど、結局は大人向けの入門用プログラミング言語という位置づけなのね」
ということでした。
RPAは中小企業で本当に普及するのか?
よくよく考えてみると、先日UiPath研修を受講した際に受けた印象も「本当にこれ誰でも使えるようになるんだろうか?」というものでした。
そのように感じたのは、プログラミングで一般的に使われる「変数」を扱えないとほとんど何もできないからです。
ここでは「変数」の考え方などには触れませんが、簡単になったとはいえ、RPAはやはりプログラミングの一種であることに変わりないなと、改めて痛感した次第です。
最近マスコミ等で「RPAで生産性向上」とか「働き方改革にはRPAの活用を!」みたいな記事をよく見かけますが、取り上げられる事例はほとんど大企業のものばかりです。
人手不足が進む中で、本当に生産性を上げないといけないのは中小企業なわけですが、情報システム部門を持つ余裕のない規模の中小企業にとって、RPAはその業務改善ツールになりうるのか最近疑問が湧いてきています。
結局のところロボットを作ることを引き受ける情報システム部門的な人がいないと、うまくいかないのではないかと。
最近は、作成したロボットを売買できるネット上のマーケットを提供するとか、そのマーケットにロボットを提供するといったニュースを見かけるようになりました。
しかしこのような状況が進むと、従来と同じようにアプリケーションソフトを購入しているのと変わらず、RPAが単なるアプリ開発のプラットフォームになるだけなんじゃないかと。
RPAで何でも解決できるような論調の記事が多いような気もしますが、結局現実はそこまで甘くないのでしょう。
大手企業が導入したらRPAのブームも終わってしまうのではないか、もしくは中小企業が高額なコンサル料とセットでロボットを作ってもらって導入したものの、誰もメンテできずいつの間にか使われなくなる、なんて未来にならなければいいのですが・・・。
なんか否定的なことばかり書いてしまいましたが、こうして考えてみると、誰でもExcel(マクロを除く)を扱うくらいの感じで、最低限のプログラミングができるようになるというのは、やはりこれからの時代大事なんだろうなと改めて思った次第です。
とはいえ、大学入試にプログラミングの科目をなんて話もありますが、学校の授業で習うようになると、逆にプログラミング嫌いの子供が増えたり、つまらないコードを書く人が増えないか心配ですが・・・。
ちなみに、RPAについてはこれからも研究していくつもりです。いろいろ課題はあるかもしれませんが、単純作業をとことんなくしたい者としては、やはり大きな可能性を秘めたツールであることには変わりありませんので。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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