Acrobatで枠線付きのテキストを入力したいのに、いつの間にかできなくなったと感じている方はいませんでしょうか。最新のAcrobatで入力する方法を確認しておきましょう。

新しくなってからテキストに枠線をつけられない

いつだったか忘れましたが、Acrobatのユーザーインターフェースが大きく変わりました。

次図のように従来は右側にあったメニューが左側へと変更になりました。

メニュー位置の変更だけであれば特に問題はないのですが、使いたいメニューがなかなか見つけられなかったりして、変更されてからは使いにくいとずっと感じていました。

特に使いにくくなったと感じた原因のひとつが

枠線で囲ったテキストを入力できなくなったこと

です。

左側に表示されるアイコンを眺めていると、目に飛び込んでくるのが点線で囲まれたAのアイコン。

当然これでテキストを入力すると思うじゃないですか。しかもアイコンをクリックしてメニューを開いたら「テキストを入力」って書いてあるし。

ところがこのアイコンをクリックしてテキストを入力した場合、どうやってもテキストの周りに枠線をつけることができません。

テキストの文字の大きさは変更できますが、入力時に表示される3点マークをクリックしても「プロパティ」などのメニューが表示されず、枠線を設定する方法がありません。

もちろん、テキストとは別に四角形を描画してテキストと位置を合わせる、といった方法はありますが、あまりにもスマートじゃないし手間もかかりすぎる。

ということで、これが原因で一時期Acrobatを使うのやめようかとも思ったくらいでした。

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枠線付きのテキストを入力したいときに使うべきメニュー

ところが今回どうしてもこの機能が必要という状況に迫られて、改めて調べたところ、使うべきメニューが間違っていただけ、いうことがわかりました。

以前、枠線付きのテキストを入力する際に使っていたのは「テキストを入力」というメニューではなく

「テキストコメントを追加」

だったということがわかりました。

メニューは「コメントの追加」(私の環境では上から2番目のアイコン)をクリックすると、その中にありました!

もし表示されない場合は、左側のツールバー一番下の3点マークをクリックして表示される「ツールバーをカスタマイズ」を開き、「追加するツールを選択」の中の「コメントを追加」から「テキストコメントを追加」を探してください。

「テキストコメントを追加」を選択した状態で、「ツールバーに追加」ボタンを押せば左側のツールバーに追加できます。

ちなみに「テキストコメントを追加」はメニュー名にあるように、本来はコメントを書き込むためのものです。

そのため「テキストで入力」と「テキストコメントを追加」を使って、それぞれ文字を入力した上で、コメント一覧の画面を表示させると、前者は表示されず、後者のみコメントとして表示されます。

PDFに追加のテキストを書き込みたい、という本来の使い方としては「テキストを入力」を使うべきかもしれませんが、あくまでテキストを入力するための機能であり、枠線で囲むといったことは想定していないのでしょう。

代替的に使える機能があるのであれば、それを使うしかありません。

というわけで、入力したテキストに枠線をつけられないのは、使うメニューが間違っていただけ、という少々恥ずかしい話となりました。

ちなみに私が使っているのは有料版のAcrobatProです。無料版の場合は異なる点があるかもしれませんのでご了承ください。

またメニューの中にある「新しいAcrobatを無効にする」を選べば、以前の状態に戻すことができるようです。私は試していませんが、どうしても新しい画面がイヤだという方は試してみてはいかがでしょうか。

Acrobat 新UIについて:「すべてのツール」の表示/非表示 変更

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カンタンに諦めずに少しだけ調べてみる

今回の件、調べるのに多少時間はかかりましたが、調べれば解決できた内容です。

「できなくなった、不便だ」で思考停止していた点は反省すべきかなと。

ソフトやウエブ上のサービスについては、アップデートにより機能がなくなることもありますが、呼出方法やメニュー位置が変わるだけ、というのもよくあることです。

この点に気付かなかったことで、今までかなり時間をロスした部分もありますので、こうした仕様変更の際にはやはり一度は自分で調べて確認すべきですね。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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