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ChatGPTに代表されるAIは今年に入り急速に生活の中に浸透してきました。こうしたツールを使いこなすために必要となる能力について少し考えてみたいと思います。

思いついただけではAIは何も教えてくれない

ChatGPTが登場してから、AIに対する世の中の見方が大きく変わったのではないでしょうか。

いままでは一部のサービスを除けば

「高額の投資をすれば活用できるかもしれないけれど、中小零細企業や個人事業者にはあまり縁がないもの」

といったイメージがありました。

それがChatGPTの登場により誰でも気軽に使えるツールという位置づけに変わりました。

ただ「誰でも気軽に」といっても、使いこなせる人とそうでない人がいるのも事実です。

将来的にはわかりませんが、現状ではアタマで思い浮かべたことを脳波から勝手に読み取って自動的に処理してくれるというものではありません。

ではこうしたツールをきちんと使いこなすにはどうのようなスキルが必要となるでしょうか。

個人的には「読み・書き・そろばん」という昔ながらの3つのスキルに集約されるのではないかと考えています。

必要なスキルは「読み・書き・そろばん」?

『ChatGPTを使うのに「読み・書き・そろばん」?』と思われた方もいるかもしれません。

それぞれのスキルについて確認をしておきましょう。

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書くスキル

ChatGPTから情報を得ようとすると、自分がして欲しいことを文章に落とし込んで入力する必要があります。

自分のアタマの中でなんとなく「○○したい」と考えていても、それを文字に落とし込んで伝えないと何も始まりません。

まさにこれって「書くスキル」です。自分が考えていることを「言語化する」といってもよいかもしれません。

今でもメールのやりとりなどテキストでのコミュニケーションが苦手という人はいると思いますが、こうした方にとってChatGPTは使いにくいツールではないでしょうか。

ただこうした能力は、今になって急に必要となったわけではありません。

誰か他の人に仕事を依頼したいときなど、相手が誤解しないようにきちんと伝えないとこちらが必要とする結果は得られません。

伝える相手が人ではなくAIに変わったというだけで

「やってほしいことを相手にわかるように伝える」

というやるべきことは何も変わっていません。

自分がして欲しいことを相手に伝わる言葉に落とし込む、という意味で「書くスキル」は欠かせません。

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読むスキル

自分の質問に対してChatGPTが情報を提示したとして、それが本当に自分が必要としているものか、内容が正しいのかといった判断は最終的に自分で下す必要があります。

提示された情報そのものを時間をかけずに読むというスキルが必要になるのは当然ですが、その内容が正しいか「読んで判断する」というスキルが欠かせません。

つまり「読むスキル」といっても単純に表示された文章を読むという狭い範囲のものでななく、その分野について基礎知識を持った上で内容を判断するスキルといえます。

また、基礎知識を得るために本などの情報を読むという意味でも「読むスキル」は必要でしょう。

一般的な「読むスキル」よりもカバーする範囲は広くなりますが、使いこなすにはこうした能力は必要です。

とはいえこれも今に始まったことではありません。

誰かに仕事を依頼して出てきた結果が正しいかチェックするといったことは今までもありました。

相手が人からAIに変わっただけでやることが大きく変わるわけではありません。

そろばんスキル

そろばんスキルといっても、手元にそろばんを用意してパチパチ打つ必要はありません。

そろばんを使うって要するに「ツールを使いこなす能力」といえます。

新しいツールが出てきた時に

「このツールを使えば、あの仕事が効率化できるのでは?」
「こんな使い方をすれば便利になるのでは?」

といったことを想像して実際に試してみる能力です。

そろばんだって練習しないと使えません。

同じように最新のツールも実際に使ってみて習熟する必要があります。

新しいツールに対して尻込みせずに、試して使いこなせるようになる能力がここでいう「そろばんスキル」です。

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仕事をする上での基本的な考え方は変わらない

AIを活用するために必要なスキルとして3つ挙げましたが、「読むスキル」「書くスキル」というのは何も目新しいものではなく、従来の仕事においても必要とされています。

そう考えるとChatGPTなどのツールを業務に活かすというのは

  • 従来、人に頼んだり自分で調べたりしていた仕事を
  • 新しいツールに習熟することで、人の代わりにやってもらい
  • 全体として効率を上げる

といえます。

人口が増えない中、人がする仕事は「贅沢品」になってくる可能性が高いですから、AIに頼める仕事があるのであればシフトする必要があるでしょう。

とはいえ頼む相手が人からAIに変わるだけであり、AIだから頼み方がテキトーでいいわけではありません。

頼む相手は変わっても、わかりやすく依頼して出てきた内容をチェックする。

仕事をする上での基本は変わらないと考えておくべきではないでしょうか。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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