仕事をする上でパソコンは欠かせないという方は多いと思います。トラブルが起きたときに困らないよう、常に2台のパソコンを、できるだけ同じ環境で準備しておくことをオススメします。

忙しいときに限ってトラブルは起きるもの

前回の記事で、不測の事態への備えの一例として、

パソコンの不調・・・普段から2台のパソコンを準備・運用し、2台目のパソコンですぐに仕事ができるように、パソコンの環境をできるだけ揃えておく

と書きました。

今回は、この点についてもう少し詳しく書いてみたいと思います。

不思議なもので、忙しいときに限って、パソコンが起動しない、挙動がおかしい、などのトラブルが起きるものです。

トラブルが起きたときに、パソコンの面倒を見てくれる情報システム部門がない個人事業主・フリーランスの方は、普段からパソコンを2台準備しておけば、それだけでリスク回避になります。

しかし、単に2台目のパソコンを買っておくだけでは、いざというときにすぐに使うことができません。

2台目のパソコンをどのような状態で準備しておくべきか、その点について考えてみましょう。

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2台のパソコンの環境を揃える際のポイント 〜データ・アプリ・OS〜

普段使っているメインのパソコンに不具合が生じた場合、仮に予備のパソコンがあったとしても、

  • いつも使っているデータにアクセスできない
  • いつも使っているアプリがインストールされていない
  • OSなどのアップデートが始まってしまい、仕事を始められない

など、メインのパソコンと同じ環境を構築するには意外と時間がかかるものです。

トラブルが起きたときは、ただでさえ気持ちが焦っていますので、少しでも早く通常の状態に戻したいはず。

そのためには、普段から予備のパソコン環境を、メインのパソコンと同じような状態にしておくことが重要です。

予備のパソコンがすぐに使えるものになっているか確認するために、

  1. データ
  2. アプリ
  3. OS

の3つのポイントからチェックしてみましょう。

1.データ

仕事をする上で、データは絶対に欠かせません。

一番のオススメは、クラウドサービス(Dropbox・Googleドライブ)などにデータを保存しておくことです。

こうしておけば、予備のパソコンでログインするだけでデータにアクセスできます。

ただ、事情によりこうしたサービスを使えない方もいるかもしれません。

そうした方は、常に外付けのストレージにデータのバックアップをとっておき、予備のパソコンにつなげば、すぐにデータにアクセスできる状態にしておくべきでしょう。

またクラウドサービスに保存されている方であっても、Dropboxなどは初回の同期に時間がかかります。

そのため普段から定期的に予備のパソコンを起動して、データを同期する機会を持ちましょう。

(パソコンには同期せずに、ネット上でのみデータにアクセスする方法を使えば、同期の時間はあまり必要ありません。)

2.アプリ

普段仕事で使っているデータにアクセスできたとしても、そのファイルを開くアプリがインストールされていなければ、仕事をすることはできません。

そのため仕事に不可欠なアプリを洗い出して、それらについては予備のパソコンにもインストールしておくことをオススメします。

「ライセンスを2本買うのはムダ」と思うかもしれませんが、トラブルが起きたときに、

  • インストールファイルを探す
  • ライセンスキーを探す
  • パソコンにインストールする

といった手間をかけることと、ライセンス料を支払うことを比較して、どうすべきか判断いただければと思います。

実際、高額なソフトについてはメインのパソコンにしか入れないと判断しているものもありますので。

それでも、大部分のアプリが準備されていれば、それだけ予備のパソコンで仕事を始めるまでの時間は短縮できます。

もう一つ注意すべき点として、アプリについては、いざ使おうとしたときにバージョンアップのインストールなどで時間がとられる可能性があります。

そうした状況を避けるためにも、定期的に予備のパソコンを使う機会を持つようにしましょう。

なお、アプリのライセンスについては、同時に使用しなければ2台までインストールできるものもあったりします。

現在お使いのアプリの規約を確認いただき、2台目にインストールできないか一度確認してみてください。

3.OS

トラブルが起きたときに予備のパソコンを使おうとしたら、OSの大型アップデートが始まってしまい結局数時間使えなかった、なんて可能性もゼロではありません。

データの同期やアプリのアップデートのところでも書きましたが、こうしたことを避けるためには、普段から予備のパソコンを使う機会を持つことが欠かせません。

同じデータにアクセスできて、同じアプリが入っているのであれば、予備のパソコンで仕事をすることに何の問題もありません。

そのため、例えば週に1回曜日を決めて、予備のパソコンで仕事をすることにしておけば、トラブル時に同期・アップデートで時間をとられることを避けられます。

ちなみに、OS(Windows・Mac)の違いについては、個人の好みで決めていただければ良いと思っています。

個人的にはアプリなどの使い勝手が微妙に異なるのがいやなので、仕事用のパソコンはWindowsで統一することにしています。

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心穏やかに仕事をするための保険料

仕事用のパソコンにトラブルが起きたときのために、予備のパソコンをどのように準備しておくべきかについてまとめてみました。

ここまで読んで

「こんなに時間とお金をかけられない」

と思われた方もいるかもしれません。

私はこうした準備にかかる時間とお金は、トラブルに遭ったときのための保険料だと考えています。

最初に書きましたように、不思議と忙しいときに限ってパソコンのトラブルは起きるものです。

そうした時に、できるだけ短時間でリカバリーできることは価値のあることだと考えていますので、そのための必要なコストと割り切っています。

必要な準備をしてトラブルが起きなければそれは幸せなことであり、万が一トラブルが起きてしまったら準備をしておいたよかった、という風に自分の精神安定のための保険料と思えばそれほど高くないかな、と。

「パソコンのトラブルが起きると困る!」とお考えの方は、トラブルが起きたときに備えてどう対応するか、一度検討されてみてはいかがでしょうか。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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