会計ソフトへの手入力、疲れるのでキライです。記帳の仕事をしないといけないとき、どのようなスタンスで臨んでいるかについてまとめておきます。

会計ソフトへの仕訳の入力方法は手入力だけとは限らない

会計ソフトにデータ入力をされる方達は、普段どのように入力作業をされていますでしょうか?

会計ソフトに仕訳を入力する方法としては、ざっと次のようなものがあります。

  1. 直接手入力する
  2. 会計ソフト毎に決められたCSVファイルを自分で準備して、仕訳そのものをインポートする
  3. データ化サービス(STREAMEDなど)を利用して、仕訳データを作成してもらい、そのデータを会計ソフトにインポートする
  4. 勘定科目などがない取引データを作成して会計ソフトにインポートして、既に登録済みの自動仕訳ルールを適用して仕訳を作成する

4については、主にクラウド会計でないと使えない方法ですが、自動仕訳ルールがきちんと整備されていれば、思った以上に短時間で仕訳の登録できます。

こうした方法が使える点もクラウド会計を好む理由のひとつです。

このように様々な入力方法があるわけですが、個人的には1の手入力はできうる限り避けるようにしています。

その理由としては、

  • 仕訳登録にかかる時間の短縮
  • 疲れがたまらないようにするため(大量の入力作業は、目や腕への負担となります)
  • 仕訳データの準備やインポート前のチェックが、Excelの方がやりやすい

といったことが挙げられます。

熟練の会計事務所職員の方であれば、「手入力した方が早い」という方もいらっしゃるかもしれませんが、そもそも疲れますし、その域まで達するのに時間がかかります。

またそうしたスキルは、会計ソフトが変わってしまうと使えない、といった汎用性に欠ける部分がありますので、今から追求すべきものではないと考えています。

 

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行数が少ないときも、絶対に手入力しないのか?

手入力は避けているといっても、では絶対にしないのかというと、そういうわけではありません。

例えば、仕訳データをインポートした後に、Ⅰ枚だけ領収書の処理モレが見つかったようなケース。

このときに、「絶対に手入力はしない!」と意固地になって、わざわざ一行のデータを準備して処理するのが効率的なのかどうか?

そもそも手入力を避けているのは先ほど述べたとおり、「時間短縮・疲れない・チェックがしやすい」といったことが理由であるわけです。

たった一行の入力であれば、データを準備するより早いでしょうし、そんなに疲れるわけでもありませんし、またチェックも画面上で行えば事足ります。

手入力するよりも時間短縮するためには、ある程度の量のデータをまとめて処理する必要があります。

仕訳データのCSVファイルを作成する際に、Excel上でコピペしたり、関数を活用してデータを作るからこそ時間短縮につながりますので、2~3行程度の仕訳の場合には手入力の方が効率的であるケースも考えられます。

結局のところ大事なのは、自分が何のために手入力という作業を避けようとしているのか、という点です。

自分の目的さえはっきりしていれば、あとはその目的に合致する方法を選択すればよい、ということになります。

手入力はなんとなくイヤだから絶対にやらない、というスタンスで柔軟性に欠けた運用をすると、結果的に非効率になってしまう可能性があります。

ただ、組織として仕事をされている場合には、安易に運用方法を変更してイレギュラーな処理をしてしまうと、逆にミスを誘発する可能性もあります。

組織としての処理ルールが決まっている場合には、少し注意が必要です。

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出てくる結果が同じであれば、効率的に処理する方法を探し続けるべき

仕訳データの入力というのは、最終的に決算書や総勘定元帳を作成するためにやっています。

その作成するプロセスについては、手入力であれ仕訳データのインポートであれ、結果が正しければ問題にはなりません。

だとすれば、短時間で処理を終えることができて、疲れない方法を常に探し続けていくべきでしょう。

将来的にはデータインポートよりもっと便利で短時間で終わる方法が出てくるかもしれません。

そうしたときに、従来のやり方に囚われて新しい方法を試すことができない、ということだけは避けたいものです。

 

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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