freeeでの定期預金更新時の処理に悩まれている方はいませんか?今回は、入出金が発生しない元利継続時の処理方法についてまとめておきます。

満期時の取扱いごとに異なる処理方法

以前定期預金が満期になったときのfreeeでの処理方法についてまとめたことがあります。

 

そのときも書きましたが、freeeでは「口座」という考え方を使っているため、定期預金の満期時の処理は少々面倒です。

当時の記事では、満期時に元金・利息を受け取る場合の取扱いを説明しましたが、定期預金であれば

  • 満期時若しくは中途解約時に元金と利息を受け取る
  • 満期時に元金だけ継続して、利息を普通預金などで受け取る
  • 満期時に元金・利息ともに継続する

などの取扱いがあります。

最初の2つであれば、入金データが発生するため、そのデータを元に以前の記事でご説明した方法で処理すればよいのですが、最後のいわゆる「元利継続」と言われる取扱いの場合には、入出金データが発生しません

そのため、freeeの処理方法以前に、処理自体を漏らさないよう注意する必要があります。

決算期末時点の残高証明書を銀行からを取得して、会計ソフトの残高と不一致がないか確認するのが、モレを防ぐ現実的な方法でしょう。

その一方で、freeeにおいてはどのように処理すべきか、その方法をこのあと説明します。

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元利継続扱いの定期預金の処理方法

基本的なやり方は、以前の記事でご説明した方法と同じく口座振替にて処理を行います。

前回は、「現金」口座を経由して処理しましたが、現金の総勘定元帳に余計な仕訳を入れたくない方もいらっしゃると思います。

そのため、今回は「口座振替勘定」という口座振替を処理するためだけの口座を設定して処理する方法を説明します。

口座振替勘定「口座」の登録

メニューから「口座」-「口座を登録」を選択すると、下記画面が表示されますので、下の方の「資産の口座(小口現金・仮払金など)を登録」をクリックします。

次の画面が表示されますので、「口座振替勘定」と入力して「登録する」をクリックします(勘定科目名は、「経過勘定」などご自身がわかりやすいもので問題ありません)。

以上で、事前の準備は完了です。

満期となる金額を「口座振替勘定」口座に振替する

今回は、下記金額を例として説明します。

  • 元金:1,000,000円
  • 利息(税引前):100円
  • 税金:15円

まず満期となる金額(税引後の利息を含む、今回の例では1,000,085円)を、「口座振替勘定」に振替えます。

「取引」-「口座振替」の画面で、次のように入力してください。

  • 振替日:定期預金の満期日を入力
  • 振替元口座:定期預金の残高のある口座を選択
  • 振替先口座:先ほど作成した「口座振替勘定」を選択
  • 金額:満期後の元利合計(税引後)を入力

この状態で、「詳細登録」をクリックすると、以下の画面が表示されますので、「手数料・受取利息等」の左側の「∨」部分をクリックします。

以下の画面が表示されますので、次のように入力(勘定科目などはご自身の環境に合わせて変更してください)して、最後に「保存」を押します。

  • 「受取利息等を追加」を押して、「受取利息」勘定と受取利息額(税引前)を入力
  • 「手数料を追加」を押して、「租税公課」勘定と税金を入力

これで、定期預金口座から「口座勘定振替」口座に利息を含めた残高を振替できました。

「口座振替勘定」口座から定期預金口座に残高を振替する

最後に、「口座振替勘定」口座に移した満期後の金額を、再度定期預金の口座に振替します。

「取引」-「口座振替」の画面で、次のように入力してください。先ほどの口座振替の入力時と、「振替元口座」「振替先口座」が入れ替わるだけです。

  • 振替日:定期預金の満期日を入力
  • 振替元口座:「口座振替勘定」を選択
  • 振替先口座:定期預金の口座を選択
  • 金額:満期後の元利合計(税引後)を入力

入力したら、最後に「振替」ボタンを押してください。

この後、試算表の貸借対照表の画面で、

  • 「口座振替勘定」がゼロになっているか
  • 定期預金残高が、銀行から案内のあった満期後残高(税引後)と一致しているか

を必ず確認しておいてください。

以上で、元利継続時の定期預金の処理は終了です。

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口座振替のみで処理したときの問題点

今回ご説明した方法で定期預金の更新処理をした場合に、ひとつだけ問題があります。

それは、『口座振替の入力画面では、「取引先タグ」を入力できない』という点です。

法人税申告書を作成する際に、「租税公課」勘定の中から、利息から控除された税金だけを抜き出す必要があるのですが、その際に試算表の取引先別の明細を見て、対象金融機関のものだけ抜き出していました。

ところが、今回の方法で処理してしまうと、試算表の「租税公課」勘定には、取引先として「未選択」と表示されてしまい、取引先別に表示させることができません。

これを避けようとすると、以前の記事で触れたfreeeから説明のあった、

  • 定期預金の満期前元本を、一旦現金勘定などに振替
  • 振替伝票で利息と税金の仕訳を作成(相手科目は、一旦現金など)し、ここで取引先タグを入力しておく
  • 税引後利息を含めた満期後残高を、現金などから定期預金に振替

という3ステップを踏む必要があります。

定期預金の更新だけで、3回も処理したくありませんので、正直この方法は使いたくありません。

他の回避方法としては、「租税公課(源泉税)」といった勘定科目を作成して、利息関係の仕訳のときはこの科目を使うといったところでしょうか。

今回は、定期預金の元利継続の場合、freeeでどう処理するかについてまとめてみました。実務のご参考になれば幸いです。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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