経営者や上司などへ報告・説明したはずなのに、「その話聞いてない」と言われたりして、自分が思っているほど相手に伝わっていないと感じたことはありませんか?
そうした状況を避けるためにはどうすべきか考えてみましょう。
目次
その説明、相手にきちんと伝わっていますか?
今回は、繰り返し説明することの重要性について考えてみたいと思います。
仕事をする上で、「伝える」という作業はとても大事ですが、意外とおろそかになっていないか。
こちらの意図や説明したいことがきちんと伝われば、仕事も今まで以上にうまくいくことでしょう。
伝える上で大切なポイントは、
「1度説明したからといって、相手に伝わっていると考えるのはマチガイ」
ということです。
先日、顧問先の経営者の方と話している中で、事務所に対する要望事項などをうかがっていたのですが、
「会社として、こうしたらいいとか、節税の提案などをもっとしてほしい」
とのコメントが。
私としては、毎回訪問する都度、会社の問題点やそれに対する対応策、節税対策として考えられる方法などについて、お伝えしていたつもりでした。
ところが、その経営者の方からすると、そうした提案をあまりしてもらっていないと感じているわけです。
こちらの意図がきちんと伝わらなければ、結果として説明していないのと同じこと。
伝え方に工夫が必要と反省するとともに、1回で伝わると考えるのは間違いだと思うに至りました。
相手から「それ前に聞いた」と言われるまで繰り返すべき
相手に説明する・伝える上で大事だと考えるポイントは3つあります。
- 報告・説明する側とされる側の情報量の差を意識しておく
- 自分が説明して「伝わった」と思うのは、単なる自分自身の勘違い
- 相手から「その話、以前にも聞いたよ」と言われるまで繰り返し説明する
報告・説明する側とされる側の情報量の差を意識しておく
報告・説明という場面を考えてみると、報告する側は直前までその内容に何度も触れているため、精通している状態です。
一方で、報告・説明を受ける側とすると、その報告を受ける内容については、初見である可能性が高く、たとえ得意な分野であっても、もともと持っている情報量に差があります。
この点を意識しておかないと、一方的に報告・説明をして、自己満足で終わってしまう可能性が高くなります。
自分が説明して「伝わった」と思うのは、単なる自分自身の勘違い
報告・説明を終えると、する側は終わったという満足感から、ついつい「相手も同じレベルで理解している」と考えてしまいがちです。
もしかすると報告を受ける側は、他に大きな心配事があり、上の空で聞いていたかもしれませんし、報告する側の意図を取り違えているかもしれません。
残念ながら相手のアタマの中を覗くことはできませんので、報告した内容について同じレベルで理解しているか確認する方法はありません。
自分自身が感じる「相手に伝わった」という感覚は、少し疑ってかかる必要があります。
相手から「その話、以前にも聞いたよ」と言われるまで繰り返し説明する
そうすると、相手に伝わったと確認できるまで、何度も説明することが重要ですが、伝わったかどうかをどうやって確認すればよいか?
一つの尺度としては、報告を受けた側から「その話、前にも聞いたよ」といった発言がでるかどうかだと考えています。
もちろんこうした発言があったとしても、同じレベルで理解している保証はありませんが、少なくとも相手がその話を知っていることは確認できます。
相手とのコミュニケーションの中でその反応から、
「こちらの伝えたい内容が、相手のアタマの中に入っているかどうか?」
という点が確認できるか意識しておきましょう。
とりあえず2回説明することから始めてみる
今回は相手にこちらの意図をきちんと伝えるために注意すべきポイントについて、整理してみました。
繰り返すことが重要と書きましたが、主に時間を空けて何度も伝えるケースを想定して書いています。
ところが、実際には一度の機会で必要な内容をきちんと伝えなければならないケースもあるでしょう。
そうした場面では、資料や説明の中に本当に伝えないといけないことを繰り返し織り込んでおく、という方法が考えられます。
この場合は、相手から「それ何度も聞いた」という発言を確認することはできませんが、繰り返し同じメッセージを伝えることで、相手に理解してもらえる可能性は高まります。
こちらの考えや意図をきちんと相手に伝えるというのは、思っている以上に難しいことです。
いろいろ説明や提案等しているのに、なかなか理解してもらえないと感じるケースがあるのであれば、まずは同じ内容をもう一度説明してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
そのときに、「それ前にも聞いたよ」といってもらえれば、うまく説明できているということですから。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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