経営をしていれば、毎日が判断の連続です。ふと湧き上がる「これでいいのかな?」という不安を、一緒にひも解いていくプロセスについて書きました。
目次
「これってどうしたらいいの?」への対応
みなさん、こんにちは。京都の税理士、加藤博己です。
この仕事をしていると、顧問先の社長からふとした瞬間に、
「加藤さん、これってどうしたらいいのかな?」
というご相談をいただくことがよくあります。
質問の内容は、本当にさまざまです。
「これって、経費として認められる?」という税務の質問もあれば、 「取引先からこんな条件を提示されたんだけど、受けても大丈夫だと思う?」といった、 商売の進め方に関するものまで。
ご相談をいただくとき、社長は少し焦っておられたり、 不安を感じていらっしゃることが多いように見受けられます。
いわば、頭の中が「モヤモヤ」でいっぱいになって、 どこから手を付けていいか分からなくなっている状態ですね。
実は、こうして偉そうに書いている私自身も、 自分の仕事のこととなると、同じような状況になることがよくあります(笑)。
自分のことは、意外と見えにくいものです。 だからこそ、誰かに話を聞いてもらうことで、 絡まった糸が少しずつ解けていく感覚は、私自身もよく理解しています。
質問の内容によって対応は異なる
社長からご相談を受けたとき、私がまず最初に行うのは「状況の整理」です。
いきなり答えを出すのではなく、
「今、社長は何を一番知りたがっているのか?」
「何が社長の不安の正体なのか?」
を明確にすることから始めます。
大きく分けると、対応は次の2つのパターンになります。
答えがハッキリしている場合(税金や法律のことなど)
たとえば、税金の計算ルールや、税務署に提出すべき書類などの手続きに関すること。 これは、私たち税理士の専門分野であり、明確な「答え」があるものです。
この場合は、専門用語をできるだけ使わずに
「結論から言うとこうなります。理由はこうです」
と、分かりやすくお伝えすることを心がけています。
不安の正体が「無知による恐怖」であれば、正しい情報をわかりやすく提示するだけで、 社長のモヤモヤは一気に晴れていきます。
明確な答えがない場合(事業の方向性や経営判断など)
難しいのは、こちらの場合です。 「新しい店舗を出すべきか」「あの会社と取引すべきか」といった経営の判断に、 唯一無二の正解はありません。
ここで私が意識しているのは、答えを教えることではなく(そもそもこうした問いに対して私も明確な答えを持っていません)、 「経営者の頭の中を整理するお手伝い」をすることです。
いわゆる「壁打ち相手」になる、という感覚。
社長の考えていることを、私という壁に向かって一度投げていただく。 そして、私は投げられたボールをそのまま返すのではなく、 少し角度を変えて質問を投げ返します。
「もし、その選択をしなかったらどうなりますか?」
「一番リスクだと感じているのは、どの部分ですか?」
こうして質問に答えていただくうちに、 社長ご自身の中で
「ああ、そうか。私がやりたかったのはこれだった」
と、 考えがまとまっていく瞬間があります。
私の仕事は、そのきっかけを作ることだと思っています。
相談相手がいない経営者のパートナー
「経営者は孤独である」とよく言われます。
会社の中に部下はいても、お金のことや、自分の弱音、あるいは確信が持てないアイデアをそのまま話せる相手は、案外少ないものです。
家族に話すと心配をかけてしまうし、 同業者にはプライドがあって話しにくい。
そんなとき、利害関係がなくて、かつ会社の状況を数字から把握している 「税理士」という存在は、相談相手としてちょうど良いポジションにいます。
税理士と聞くと、単に数字をチェックして申告書を作るだけの存在と思われるケースもありますが、それしかできないままだとAIに代替されてしまいます。
社長がふと「これってどうしたらいい?」と漏らせるような、 そして、話し終わった後には「あぁ、スッキリした。また頑張ろう」と、 前を向いていただけるような、そんな、伴走型のパートナーでありたいと願っています。
もし、今あなたの頭の中に、名前のつかない「モヤモヤ」があるのなら、 ぜひ一度、話を聞かせてください。
一緒に整理して、スッキリした気持ちで次のステージへ進んでいきましょう。
投稿者

- 加藤博己税理士事務所 所長
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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