この仕事、資料を共有してもらうことが多いのですが、できれば紙のコピーをもらうのは避けたいところ。可能な限りデータで共有していただきたいのが本音です。そこで今回は、相手の方に紙をコピーせずにスキャンしてもらうためのハードルを下げる方法について考えてみましょう。
目次
意外とハードルが高い「スキャンして」というお願い
お客さまにデータ共有をお願いする際
「書類をスキャンして送ってください」
とお願いすると、意外とハードルが高いと感じたことはありませんか?
「スキャナーの機械なんて持っていないよ」
「スマホのスキャナアプリ、使い方がよくわからない」
といった反応もよくあるのではないでしょうか。
「写真を撮ってLINEなら送れるよ」というケースはあるかもしれませんが、書類が折れ曲がったままだったりして、読み取りづらいということも。
普段から「スキャン」という作業に慣れている人にとっては簡単なことでも、不慣れな方にとっては手間だったり、難しかったりします。
特に、普段あまりデジタルツールに慣れていない方にとっては、スキャンという作業自体が億劫に感じられることもあるでしょう。
とはいえ、スキャンが面倒だから紙で送るとなれば、郵送などの手間やコストがかかってしまいますし、紙資料を預かると受け取った側にも返却する際に同じ手間やコストが発生します。
こうした状況を避けるためにも、相手の方に少しでもストレスなくスキャンしてもらうための工夫が重要です。
オンラインストレージアプリを使うという提案
そこでひとつの方法として考えられるのが、オンラインストレージアプリでスキャンしてもらうという方法。
オンラインストレージアプリとは、具体的にはDropboxやGoogleドライブがあります。
普段からお客さまとの間でこうしたサービスを使って資料を共有しているのであれば、選択肢のひとつとして検討すべきでしょう。
これらのオンラインストレージアプリには、いつからか覚えてないのですが、ドキュメントをスキャンして直接保存できる機能が搭載されています。
手順としてもそれほど難しくありません。
Dropboxの場合(iOSアプリ)
- アプリの真下にある「+」ボタンを押す
- 「ドキュメントをスキャン」を選択
- 撮影画面に切り替わるので書類にスマホをかざす(書類を認識すると自動的に撮影してくれます、自分で撮影ボタンを押すことも可能です)
- 「保存」ボタンを押す
- 保存するフォルダを選択して「アップロード」ボタンをクリック(必要であれば、ファイル名や保存形式(PDF・PNG) ・画質を変更することも可能です)
2については矢印部分を選択します。

Googleドライブの場合(iOSアプリ)
- アプリの右下にある「+」ボタンを押す
- 「ドキュメントをスキャン」を選択
- 撮影画面に切り替わるので書類にスマホをかざす(書類を認識すると自動的に撮影してくれます、自分で撮影ボタンを押すことも可能です)
- 「次へ」ボタンを押す
- 保存場所を指定して「アップロード」ボタンをクリック(必要であれば、ファイル名を変更することも可能です)
2については矢印部分を選んでください。

事前に保存するフォルダを決めておけば、保存先の選択に迷うこともないでしょう。
普段からこれらのサービスを使っていれば、スキャナアプリを別途インストールしてもらう必要もありません。
普段使っているアプリの中で完結できるというのは、相手の方にとって大きなメリットになるはずです。
この方法を採用するメリットとしては
- 操作に迷わない:普段使い慣れたスマホで、かつデータ共有する際に使うものとと同じサービスを使えるため、操作に迷うことが減ります
- コストがかからない:専用のスキャナー機器や高機能な有料スキャナアプリをわざわざ購入してもらう必要ががありません
- 余白が映り込まない:書類を自動的に認識してくれますので、写真を送ってもらう場合と比べると、書類の周りの部分が映り込みません
といったものが挙げられます。
常に最初のハードルを下げることを意識する
スキャンなど「相手が苦手に感じるだろうな」といった作業をお願いする際に最も大切なことは、「相手のハードルを下げる」という意識を持つことです。
ハードルを下げるためにできることとしては
- 具体的な手順を伝える: 口頭で「スキャンして送ってください」と伝えるだけでなく、具体的な操作手順を伝えることで、相手の不安を軽減する
- 画像付きの説明を用意する: 可能であれば、スキャン方法を解説した簡単な画像付きの資料などを用意する
- 無理強いしない:オンラインストレージアプリの利用が難しい場合は、「スマホのカメラで真上から明るい場所で撮影して送っていただければ大丈夫です」といった代替案を示すことで、相手に「やってみてもいいかな」と感じてもらう
- メリットを示す:郵送のための準備やコストが不要になるという、相手にとってのメリットをきちんと示す
といったものがあります。
ちょっとした工夫で、これまでお願いしづらかったスキャンも、スムーズに協力してもらえるようになるはずです。
スキャンをお願いする際の選択肢にオンラインストレージアプリを加えてみませんか?
投稿者

- 加藤博己税理士事務所 所長
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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