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所得税の確定申告で事業所得などがあると経費の集計作業は必ず発生します。モレなく経費を集計するために普段からやっておくべきことを確認しておきましょう。

モレなく経費を集計することは最も簡単な税金対策

所得税の確定申告期限まで残り20日を切りました。

事業所得や不動産所得などがある方だと「経費の集計」は必ずやらなければなりません。

誰でも税金は減らしたいものですが「ちょっとでも節税したいんです」という方に限って、ご自身が支払った経費が漏れていることがあったりします。

小難しい節税手法とかを調べる前に、支払ったものをモレなく経費として計上するのがムダな税金を払わないためには大事です。

人によって受け取り方が違うので、あまり「節税」という言葉は使いたくないのですが、ムダな税金を支払わないという意味では経費の集計にモレがないかチェックすることも節税のひとつです。

事業のために支払ったものであれば、堂々と経費処理すればいいわけですし、さらに言えばモレなく集計できているというのは帳簿をきちんと作れているということです。

帳簿がきちんと作れるのであれば55万円や65万円の青色申告特別控除を受けることもできますから、支出なく利益(所得)を減らすことができて節税につながります。

経費をモレなく集計するためのポイント

では実際にモレなく経費を集計にするためにどうすべきでしょうか。

ひとつは前回の記事で取り上げた

「経費の支払手段を事業用のものに集約すること」

が挙げられます。

個人事業者であれば、例えば

  1. 事業用の銀行口座とクレジットカードをひとつずつ作り、経費の支払はそれ以外では行わない
  2. 事業用の銀行口座とクレジットカードのデータを会計ソフトに連動させる

という仕組みにすればこれだけで経費の集計モレはなくなるはず。

もう一つ付け加えるとすれば

「こまめに経理処理をすること」

が挙げられます。

そもそもなぜ自分で支払った経費の集計を漏らしてしまうのでしょうか。

考えられる原因としては

  • たまたま事業用のクレジットカードが使えず、個人用のクレジットカードで支払った
  • 購入しようとしたお店が現金しか使えなかった

といったことが挙げられます。

こうしたイレギュラーな処理については時間が経つとついつい忘れてしまうものです。

だからこそ忘れる前に処理をするのが大事。

処理をするといっても会計ソフトにすぐに入力までしなくても大丈夫です。

確定申告用の資料をまとめておくクリアファイルや封筒などを決めておき、前日に事業用以外の方法で支払ったものがないかを毎朝確認し、あればそのレシートを前述のクリアファイルなどに入れておくだけで十分です。

これだけであれば5分もかからないですし、確定申告用の経費を集計する際にこのクリアファイルを確認すれば漏れることはありません。

なお、事業用にサブスクのサービスなどを利用している場合は要注意です。

事業用のクレジットカードなどで支払っていれば問題ありませんが、個人のクレジットカードで支払っている場合などは、自分で領収書等をダウンロードする必要があります。

この場合

プライベートのクレカで支払
→面倒なので領収書のダウンロードをしない
→経費に含めるのを忘れる

という可能性がありますので、事業用の経費に含めるものであれば事業用の銀行口座やクレジットカードで支払をするよう変更しておきましょう。

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基本的な処理を確実に行うための仕組みを作る

確定申告において経費の集計を漏らさないためのポイントを確認しましたが

「なんだ、それだけのこと」

と感じた方も多いのではないでしょうか。

モレを無くすには基本的な作業をきちんとこなす必要があります。

とはいえ基本的なことをきちんとこなすというのは簡単に見えて意外と難しいものです。

だからこそ「仕組み」まで落とし込むことがポイントとなります。

例えば今回取り上げた

「毎朝プライベートの決済手段で支払った事業用経費がないかのチェック」

ですが、工夫をしなければ忘れてしまうことも多いはず。

こうした作業については

  • 毎朝のタスクとして開始時間を決めて組み込んでしまう
  • メールやタスク管理ソフトでリマインダーが出るようにしておく

といった忘れないための仕組みが必要です。

毎朝自然とチェックできるようになれば、それだけ集計モレの可能性は下がります。

来年の確定申告に向けて経費をきちんと集計するための仕組み作りを今からはじめませんか。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち、7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
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