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PDFファイルの書類をチェックする際に、ファイルに直接チェックをつけたり、コメントを記入する機会が割とあります。こうした際にどのツールを使うべきか、改めて整理してみたいと思います。

いろいろ試していろいろ悩むPDFファイルへの書き込みツール

試算表などの書類をPDFファイルにして、チェックをしながらそこに書き込むという作業をする際には、最近はタッチ対応の液晶画面があるWindowsノートパソコンを使うことが多いです。

ただ先日、持出し用のノートパソコンを新調して、いろいろと事情がありタッチ非対応のものを選択。

従来使っていたノートパソコンも予備機として手元に置いているので、今のところ問題はないのですが、PDFへの書き込みのためだけに将来的にもタッチ対応のノートパソコンを買い続けるべきかどうか。

PDFへの書き込みについては、過去から色々と試してきました。

例えば

  • iPadとApplePencilの組み合わせ…Air(第3世代)を使ってましたが、10.5インチでは画面が狭いと感じて断念
  • デスクトップパソコンと板タブレットの組み合わせ…タッチ対応液晶は不要なものの、書き込みたい箇所への位置合わせが一瞬遅れるのがストレス。また液タブ本体が意外と場所をとる、ということで断念

といった感じで、試したもののやめてしまったものもあります。

どうしても細かい数字が並ぶ資料が多くなるのと、ファイルの保管の関係上、

  • 画面はできるだけ大きい方がいい(できれば13インチ以上)
  • ペンで直接書き込みたい箇所に書き込める方がいい
  • Dropbox上のファイルを直接編集できるツールがいい

等の条件を満たすものを探すことになります。

今回、どのツール使えばいいのか、個人的な考え方を改めてまとめておこうかと思います。

どのOSの、どのアプリを使うべきか?

やりたいこととしては、

  1. Dropboxに保存されているPDFファイルに直接書き込みたい
  2. PDFファイルに、チェックをつける・コメントを記入するといった作業をしたい
  3. できればペンによる手書きで書き込みたい

といったところです。

これに対して、現在手元にある機器とアプリは、

OS 機種名 アプリ
Windows SurfaceBook2(13.5インチ)

Drawboard PDF
Adobe Acrobat Reader

ChromeOS HP X360 13c

Squid
Adobe Acrobat Reader

iPadOS iPad mini

Adobe Acrobat Reader
PDF Expert 

という組み合わせ。それぞれの機器用の専用ペンがある、という状態です。

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Windows:DrawboardPDF・Acrobat Reader

手書きを前提とするのであれば、手元の機器・ツールの中では、DrawboardPDFが一番使いやすいと感じています。

Dropboxからファイルを開くという点では、DrawboardPDF・Acrobat Readerともに問題はないのですが、手書きで文字を書き込もうとしたときに、Acrobat Readerの反応がよくありません。

私の汚い字ではわかりにくいかもしれませんが、上がDrawboard PDFで手書きしたもの、下がAcrobat Reaerの注釈機能で手書きしたものです。

Acrobatd Readerで書くと、途中で引っかかることが多く、またペン以外が画面に当たっても反応してしまうため、手書き用途では使いづらいと感じます。

複数のファイルに同時に開いて書き込みたい場合ですが、Acrobat Readerは当然複数のタブが開いて簡単にファイルを切替えできますが、Drawboard PDFもタブを表示しておくことで、ファイルの切替は難しくありません。

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Chromebook:Squid・Acrobat Reader

ChromeOSを搭載したChromebookでPDFファイルに書き込むにはどうするか。

色々試しているんですが、意外と面倒です。

単にペンで手書きメモを取りたいということであれば、Squidというアプリが使いやすいのですが、PDFファイルに書き込みたい場合には有償版が必要です。

有償版であっても、Dropboxから直接開く、というわけではなく一旦PDFファイルをインポートして、編集が終わったら再度エクスポートが必要となるようです。

ということで、Dropbox上のPDFファイルに書き込むには向いていないと。

「Acrobat Readerアプリならいけるのでは」ということで、Acrobat ReaderアプリでDropbox上のファイルを開いてみると、

というメッセージが表示されます。

要するに、アプリでDropbox上のファイルを開くと、勝手にChromebook本体にコピーを作成して、編集内容はそのコピーしたファイルに反映する、という仕様のようです。

もちろん編集が終わってからDropboxに戻す、という運用も不可能ではありませんが、さすがにそんな面倒なことはしたくありません。

ということで、今回やりたいことをChromebookでやるのは少し厳しいかと。

iPad:Acrobat Reader・PDF Expert

今手元にiPadMiniしかないため、狭い画面での確認となりますが、先ほどWindowsから書き込んだファイルに、iPadのAcrobat Readerから注釈機能を使って書き込んだものが、以下の画像です(iPadからの書き込みは3行目)。

Acrobat Readerアプリで書き込んだ状態

WindowsのAcrobat Readerでの書き込みと比べると、非常に書きやすいです。

ただ、ペンで書き込む前に手指が当たってしまうと、画面が反応してしまう点には注意が必要です。

書き込むこと自体は問題ないのですが、iPadのAcrobat Readerアプリでは複数のファイルを同時に開くことができないようで、この点は欠点となるかと。

その点、有償ではありますがPDF Expertというアプリだと、複数ファイルを同時に開くことができて、タブでの切替えも可能です。

Dropboxから直接ファイルを開くこともでき、さらにペンの種類も豊富です。

PDF Expertで2つのPDFファイルを開いた状態

PDF ExpertについてはPRO版は使用していませんが、アプリとしては高額なところがネックかもしれません。

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ツールにはそれぞれ一長一短がある

とりあえず手元にある機器とアプリで、Dropbox上のPDFファイルに、手書きでどの程度書き込めるのか確認してみました。

やりたいことを実現するという点では、

  • タッチ対応のWindowsノートパソコンで、Drawboard PDFを使う
  • 画面の大きなiPad(iPad Pro 12.9インチなど)を準備して、PDF Expertを使う

といったところが、使いやすいのではないかと。

あとは、予算の折り合いを付けて決めていくしかありません。

今回はPDFファイルに「手書きする」という観点で検討しましたが、手書きにこだわらなければ、タッチ非対応のWindowsパソコンであっても、Acrobat Readerを使って、

  • チェックの代わりにマーカーを引く
  • コメントをキーボードから入力する

といった方法で代替することも考えられます。

それぞれのツールに一長一短がありますが、最後は自分に合っていると思える方法を選ぶしかありません。

自分の使い方の整理も兼ねて、今回まとめてみました。PDFファイルへの書き込みに悩んでいる方の参考になれば幸いです。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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