Excel以外のソフトにもショートカットキーはあります。
今回はその一例として弥生会計のショートカットキーについて書いてみたいと思います。

1.ショートカットキーはExcelだけ?

「ショートカットキー」という言葉を聞くとExcelを想像される方が多いと思います。

実際には、パソコンのソフトの多くにはショートカットキーが設定されているため、上手に活用すれば入力作業の効率化に役立てることができます。

ただ、一方でソフトウエア毎に割り当てられているキーは全く異なります。
例えばExcelではコピーは「Ctrl+C」ですが、弥生会計で行コピーをしようとすると「Ctrl+L」を使わなければなりません。

そのため、ショートカットキーは便利ではありますが、多数のソフトウエアで無理にショートカットキーを使おうとすると覚えることが苦痛となってしまいます。
それでは業務効率化という本来の目的からかけ離れてしまいますので、使用するソフト及びショートカットを厳選して活用することが必要だと考えています。

2.弥生会計の主なショートカットキー

かくいう私もExcelのショートカットキーは以前から使っていましたが、弥生会計のショートカットキーは長い間使っていませんでした。
単に、調べて覚えるのが面倒だったというだけの理由なんですが・・・。

弥生会計のショートカットキーは弥生会計のヘルプで「ショートカットキー」と検索してもらえれば出てきます。

弥生会計のヘルプから私が使うものを一部抜粋してまとめたものが次の表です。
事情により未だに伝票方式で入力するケースがあるため、仕訳日記帳や高速入力で入力されている方にはあまり参考にならないかもしれません。

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多くの方が使えそうなものとしては

・Alt+←/→(ウィンドウの切替え):
入力画面と総勘定元帳の切替えなどがマウス無しでできます

・F3(検索)/Shift+F3(検索解除):
仕訳日記帳や総勘定元帳などでのデータ検索及びその解除ができます

といったところが挙げられます。

また、伝票入力をされている方であれば、次のようなショートカットキーが使えます。

・F12(伝票登録):
伝票登録の際に都度マウスを操作する必要がなくなります

・F8(伝票辞書の参照):
伝票辞書に登録した定型フォーマットをマウスなしで呼び出せます

・Ctrl+F(前行項目複写):
入力状態にある項目の前行の内容(勘定科目、金額、摘要など)をコピーします

Ctrl+Fは行全体のコピーではなく入力状態の項目(勘定科目、金額、摘要など)のみコピーしますので、前行と科目は同じで金額が異なるといったケースでは入力時間の短縮に役に立ちます。

入力作業のスピードアップのためには、「いかにマウスを使わずにキーボードだけで処理するか」がポイントとなりますので、そうした観点から使用するショートカットキーを選ぶようにしています。

3.業務効率化の観点からいえばCSVインポートした方が効果的

ここまでショートカットキーの効用について書いてきましたが、ショートカットキーを使った入力作業の効率化を試してみた上での個人的な結論は

「ショートカットキーを使って入力スピードを上げるよりも、CSVファイルを使って仕訳インポートした方が早い」

です。

入力仕訳が数行であれば仕訳データを作るよりも入力した方が早く、そうした場合にはショートカットキーは非常に役立ちます。

しかしながら、仕訳の量が増えるほどExcel等を活用して仕訳データを作成してCSVファイルでインポートした方がトータルの時間としては短縮することができます。
これは仕訳の入力はどうしても1行ずつ行うしかないのですが、CSVファイルの作成はExcelをうまく使えば関数などの活用により入力時間よりも短縮することが可能だからです。

ショートカットキーの活用による効果は否定しませんが、それだけにこだわらず全体としての入力工数削減のためにCSVファイルのインポートも含めてやり方を考えていく必要があります。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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