依頼に対する対応の早さが強みになる、ということを改めて感じる事例がありました。零細事業者が強みにしやすい「対応の早さ」について考えてみたいと思います。

Amazonに慣れると、他の通販が使えない?

ネットでものを買うときに、Amazonを使うことが多いのですが、使っていて感じるのは、

  • 受注した後の確認メールがすぐ来る
  • 配達は、ほとんどのケースが翌日か翌々日には完了する
  • トラブルがあったときの商品交換なども迅速

と、とにかくすべての対応が早いということです。

先日Amazonで扱っていない商品を購入するケースがあり、別のサイトで購入したことがあったのですが、

  • 注文確認メールが翌日になっても来ない
  • 商品発送がいつになるのか、なかなか連絡が来ない

といった状況で、少しイライラ。

Amazonについても、配送業者の方などにかなり負担がかかっているという話もあり、現在のサービスレベルを前提とするのはよくないのかもしれませんが、慣れとは恐ろしいものです。

ネット通販の比較基準が自分の中でAmazonになってしまっている、ということを改めて認識させられました。

逆に言えば、注文してから配達されるまでの、ひとつひとつの対応が迅速ということは、大きな強みであり、どこで購入するか選択する際の大きな要因になり得るわけです。

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なぜレスポンスの早さが強みになるのか?

先日、他の税理士の方ともお付き合いのある方と話をしている中で、

「対応早いですね!」

と驚かれるケースがありました。

お話した内容は、無理をして早急な対応をしたケースではなく、普通に対応しているつもりだったため、驚かれたことに逆に驚いてしまいました。

そこそこ規模のある税理士事務所とお付き合いされているようでしたが、そんなに対応速度が違うものなのかと。

人に誇れるほど早い対応をしているとは思っていなかったのですが、今の対応でも十分に早いと感じていただける方がいるとわかったことは、大きな発見でした。

Amazonとこの先日の事例から、レスポンスの早さが、特に零細事業者にとって強みになる理由を改めて考えてみたのですが、ポイントとしては次の3つ。

  1. 組織が小さい(もしくは自分ひとりだけ)ため意思決定に時間がかからず、レスポンスも自然と早くなる(無理をせずに対応速度を上げられる)

  2. 素早い対応に慣れると他に変えづらくなる(仕事を継続していただける理由のひとつとなり得る)
  3. 他の税理士の方と仕事をしたことがあるなど比較基準を持っている人にほどメリットとして伝わる(逆に言えば、メリットとして伝わらない人もいる)

つまり、それほど無理をせずに強みとして打ち出せる部分であり、継続して仕事させていただける理由になり得るものですが、そのメリットを理解できる方とそうでない方がいる、ということになります。

それほど無理せずに相手にメリットを感じてもらえるのであれば、やらない理由はありません。

とはいえ、質問や依頼など受ける中で、すぐには対応できないケースも当然あります。

そうした場合であっても、「○日までに対応します」とひと言連絡を入れておくだけでも、依頼した側のストレスは大きく減るはず。

自分にとっての普通の対応をするとともに、このようなちょっとした配慮を付け加えていけば、そこに十分メリットを感じていただける方は多いのだろうと。

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自分の強みは、意外と自分で気づかないもの

今回の内容、「対応早いですね!」と人から言われなければ、まったく考えなかった内容です。

改めて、「自分の強みは、自分では見えていないもの」ということを思い知らされました。

「自分で気付かないのならどうしたらいいんだ?」ということになりますが、積極的に人に聞くしかないんだろうと。

アンケート取ったり、雑談する中でさりげなく聞いてみたり、など他人から評価してもらう機会を意図的につくっていく必要があります。

組織で働いていれば、評価・査定といったプロセスの中で他者の意見を聞く機会を持つことはできますが、自営業となると意図的に行わないと他者からの評価を聞くことはできません。

直接人と会う機会が減って、雑談する時間も減ってしまっていますが、この点、もう少し意識してやってかないといけないな、と思った次第です。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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