現状、業務用データは用途に応じてDropboxとGoogleドライブに保存していますが、生成AIを業務に活用する上では、データは一箇所にまとまっている方がよいと考えています。そこでDropboxからGoogleドライブにデータを移管した際の課題について検討します。

改めてデータの集約について考えてみる

生成AIの進化は早いですが、特にGoogleが提供するサービスがものすごい勢いで変わっている印象を受けます。

以前、業務で生成AIを活用するならば、業務上のデータは集約すべきではないかといったことを書きました。

[blogcard url=”https://katoh-tax.com/2024/11/10/future-of-generative-ai/”]

最近の状況を受けて、DropboxとGoogleドライブにわかれているデータの集約を考えた方がいいかもしれないと、改めて考えています。

正直なところ、GoogleドライブとDropboxのどちらにもアクセスしてデータ活用できるAIが出てくるかと思ってましたが、今のところそうしたサービスは見当たりません。

細かいことをいえばチャットサービスなども含めて集約すべきですが、Google Chatは使う気になれないので、とりあえずファイル関連のデータ集約を検討します。

そうなるとDropbox内のデータをGoogleドライブに移管することになりますが、実務上の課題がないとはいえません。

そこで今回は、私の環境でDropboxからGoogleドライブに移管した際に、起きうる課題について整理しておきます。

広告

DropboxをGoogleドライブに移管する際の課題

今回は主な課題を3つ挙げて、それぞれについて確認しておきましょう。

【課題1】PDFファイルをAcrobatで直接開けない

ファイルとして多いもののひとつがPDFファイルではないでしょうか。

GoogleドライブでPDFファイルを開くと、最初プレビュー画面で表示されますが、この状態ではコメントを追加したりすることができません。

パソコンにAcrobatがインストールされていれば、画面上部分に

「Adobe Acrobatで開く」

というボタンが表示されますので、これをクリックすればインストール済みのAcrobatで開くことができますが、PDFファイルを開く度にこの手順で開くのが非常に面倒です。

Chromeウエブストアには拡張機能としてAcrobatがありますが、これを追加してもGoogleドライブ内のPDFファイルはAcrobatで直接開くことはできません。

Chromeウェブストア:Adobe Acrobat : PDF の編集、変換、署名ツール

【課題2】Officeファイルが扱いにくい

PDFファイルとともに多いのがExcelファイルでしょう。

Googleドライブ内のExcelファイルを開けば、Googleスプレッドシートで開くことができて、基本的な編集は可能です。

Excelファイルをスプレッドシートで開いた状態

ですが、Excelマクロは使えませんし、すべてをスプレッドシートに移管して、ExcelマクロをGASで書き直すというのはかなり大変な作業です。

上記2点への対処法としてのパソコン版ドライブ

PDFやExcelファイルが扱いにくいことへの対処法としては、パソコン版のGoogleドライブをインストールすることが考えられます。

パソコン版ドライブをインストールする

このアプリ、以前は「使いにくそう」と思ってまったく試していませんでした。

インストールするとWindowsの場合、エクスプローラーにGoogleドライブが表示されます。

こちらからPDFやExcelを開けばインストールされたAcrobatやExcelでファイルを開くことができます。

スプレッドシートなどのアイコンをクリックすれば、Googleスプレッドシートが自動的に起動します。

オンライン上のGoogleドライブでは解決できませんが、パソコン版ドライブを使うことで対応できそうです。

ちなみに余談ですが昔はオンラインのGoogleドライブにフォルダをそのままアップロードできなかったのですが、かなり前からできるようになってたんですね。知りませんでした・・・。

【課題3】フォルダーフォロー機能の代替

Dropboxには、共有したフォルダ内にファイルの追加や削除があった場合に、通知をしてくれるフォルダーフォローという機能があります。

[blogcard url=”https://katoh-tax.com/2024/06/09/dropbox-follow-folder/”]

共有フォルダにファイルを保存する際に、内容ごとにフォルダ分けをしてもらっていますが、間違ったフォルダに保存する方は結構います。

そのため、メールでどのフォルダに保存したかわかるこの機能はかなり重宝しています。

調べてみたのですが、Googleドライブにおいて標準で同様の機能は残念ながらありませんでした。

Google ドライブの通知を受け取る

「新しいファイルやフォルダが自分と共有された」は通知の対象になっていますが、事前に共有済みのフォルダにファイルが追加されても、通知が来たことないですね・・・。

広告

課題を洗い出した上で実行するか検討する

他にも大きなファイルなどを受け渡しする際に、Dropbox Transferという機能をよく使っているのですが、まあこれはなんとかなるかなと。

逆にExcelをスプレッドシートに移行すれば、Dropboxで生じる可能性があるファイルの競合の問題を回避できるというメリットがあります。

[blogcard url=”https://katoh-tax.com/2025/05/29/input-file-sharing/”]

Googleオリジナル以外のファイルを開く際の煩雑さは、パソコン版ドライブでなんとかなりそうですが、通知の問題は少し悩ましいです。

最終的に移管するかどうかは決めかねていますが、このように事前に課題を洗い出しておくことは、移管後のトラブルを減らすためにも大事なことです。

課題を整理した上で、対処法を検討し最終的に決定する。

ビジネス上の基本的な動作ですが、こうしたツールの見直しの際にも大事な点なので、今回整理してみました。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
広告