お客さまへの説明用のスライドを作成しようとすると、簡単なものでも意外と時間が取られるものです。こうした作業を生成AIを使って効率化できないか、いろいろ試してみましたので、まとめておきます。

「書類」よりも「スライド」の方が理解しやすい

生成AIの進化についていくのは大変と以前から感じていましたが、最近はさらに加速している印象を受けます。

とはいえ、「ついていけない」ということで諦めてしまうと、自分の業務の効率化も図れません。

というわけで、最近検討していたのは、お客さまに提示するスライドの作成を効率化できないかという点。

私の場合、普段はレジュメの形で資料をまとめてして、細かい点は補足資料などで説明することが多いです。

レジュメの情報量が多くなると、説明を受ける側も理解が難しくなりますので、こうした場合はスライドを作成するのですが、スライド作成は簡単なものでも意外と時間を取られます。

「作り出すと時間かかるしな・・・」ということで、作成を躊躇するケースも。

スライドで説明した方がいい感じるケースも最近多かったため、この点を解決するために生成AIを活用できないか調べてみました。

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生成AIを使ってスライドを作ってみる

今回は例として

「免税事業者がインボイス登録する際の注意点と必要な手続き」

についてのスライドを作成してみましょう。

使用するサービスは

  • Gamma
  • Felo
  • Genspark

の3つです。

Gammaでスライドを作成する

Gammaでスライドを作成する場合、「新規作成(AI)」をクリックします。

最も簡単な方法として、真ん中の「生成」を選びます。

プロンプトに指示内容を入力。あとスライドの形式として後でPowerPointでも編集しやすいように、「トラディショナル」を選んで、「概要を作成」をクリック。

カードの内容が表示されますので、この時点で修正を加えることも可能です。問題なければ「生成」をクリックします。

完成したスライドは画面上で編集したり、そのままプレゼンすることもできます。またエクスポート機能を使ってPDF・PowerPoint・Googleスライドなどに出力することも可能です。

何も手を加えずに作成し、PDFファイルで出力したものがこちら。

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今回は1行のプロンプトで作成しましたが、例えばGeminiなどで調べた内容を「テキストを貼り付ける」メニューを使ってスライドを作成することも可能です。

他の生成AIと組み合わせて使える点も便利かと。

Feloでスライドを作成する

Feloはイメージとしては、Perplexityと同じようにネット検索が行えるサービスです。ただしPerplexityと違って、調べた内容をスライドやマインドマップに出力できます。

画面上で質問内容を入力すると、回答が表示されて、右上に「プレゼンテーションを作成」というボタンが表示されるので、こちらをクリックします。

この時点でアウトラインの編集も可能ですが、問題なければ「次へ」をクリック。

テンプレートを選んで「PPTを作成します」を押してください。

完成したスライドは編集やダウンロード(PPT・画像・PDF)が可能です。

特に内容等に手を加えずに、PDFで出力したものがこちらになります。

インボイス登録に関する手続きと注意点

Gammaのようにそのまま画面上でプレゼンすることは想定されていないようで、ダウンロードしてファイルを使用するという使い方になりそうです。

Gensparkでスライドを作成する

GensparkにはAIスライドという機能があります。

この機能を選んでからプロンプトに指示を入力すると、内容の調査およびスライドの作成が行われます。右上の「表示とエクスポート」を選ぶと、画面上でのプレゼンやエクスポート(PPT・PDF)が可能です。

「表示とエクスポート」クリック後の画面

内容に手を加えずにPDFで出力したものがこちらになります。

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自分の使い方に合わせて使うサービスを選ぶ

生成AIを使ってスライド作成を効率化できないか、ということで3つのサービスを試してみました。

他にもイルシルという日本のサービスもあり、スライドの見た目が日本人向きという解説もみたのですが、ほとんど試せていませんので除外しています。

今回は敢えて一行の指示のみで作成していますので、そのまま使うのは厳しいですが、思った以上にカンタンにスライドの作成が可能です。

スライドの見栄えについては、好みが分かれるところかと思いますが、個人的には文字が少なめの方がいいので、Gammaが使いやすそうかなと思います。

また、ひとつのサービスで完結する方がラクではあるものの、想定通りのデータが得られない場合、別のサービスで情報をまとめることもあるかと。

そう考えるとGammaと別の生成AIを組み合わせた方が柔軟性がありそうな気がします。

今回いろいろ調べてみましたが、Gensparkのスライドは画面上で投影する場合はマウスを持っていくと図形が動くなど、スライドとしてよくできている面もあり、ネット上でも勧めている方が多いと感じました。

使い方や用途は人それぞれですので、スライド作成の効率化について悩んでいる方については、今回の記事も参考に使えそうなものを選んでいただければと。

なお、今回は無料版のみでテストしましたが、AI生成機能には回数制限などもありますので、本格的に使う場合は有料版の利用が必要となりますので、ご注意ください。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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